帰り道、日も暮れて。
学校の脇の細い一方通行の道で、薄暗がりから飛び出した三毛猫。僕は、それをよけて道のはじを歩くことになった。すると、傾いた、自分の視界が。大きく傾いている。殆どのものが、斜めに見える。
そのとき、僕は気づいたのだった。アスファルトで舗装された道の大半が中央からはじに向かって傾斜していることを。地面が傾いているのだから、僕の視界が平均に比べて大きく傾いているのは、当然のことだった。そして、一歩踏みしめるごとに傾いた世界が、ゆらり、ゆらり、と揺らぎだした。今まで、気づかなかっただけで、これが本当の世界なのだった。
ゆらり、ゆらり。
世界が揺らぐ音がする。みしみしと、軋むフレーム。でも、ホントはメガネがゆがんでるんじゃあ、ないだろか?耳元で、猫がみゃー、と鳴いた。ああ、気づかなかったけど、僕は揺れる度に、振り子のように頭を地面にこすりつけていたのか。みゃーと鳴いた猫。先ほどとは違う、斑の猫だった、今夜あたり、猫の集会があるんだろうなあ。
家までゆれながらたどり着くことの困難を感じた僕は、ゆれながら、同じ場所をぐるぐる回り続けた。
ちなみそれは、このあたりだ。
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